ワークショップ開催報告
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ワークショップ開催報告
育児は育自そして共育
K.O.M.I.C (Kutsuma Orthopedic Medical Information and Communication)
<昨年秋のワークショップの講師・井上ウィマラ氏の総括>
 今回の講座では「友達になるために」という歌をテーマソングで歌いました。「友達になるために人は出会うんだよ、どこのどんな人ともきっと分かり合えるさ・・・」親子関係の中にもこの友達になるという部分があります。子供と一緒にいて、私たちはいろんな感情や考えを体験します。実はそのたびに私たちは自分の中のいろんな側面に出会っているのです。子供のことを分かろうとするとき、同時に私たちは子供によって触発されたその自分の一面をよく見つめ、理解し、受容する必要があります。外界の誰かを理解して友達になるとき、実は私たちの中にあるいろんな自分の側面とも友達になっているのです。

 今回のシリーズでは予定した内容にこだわらず、参加していただいたお母さん方の今抱えている問題に即してワークをしました。ワークというのは身体と心と言葉をフルに使って自分自身や相手との関係性に取り組み、考察を深めることです。子育てでは完全を目指していては挫折してしまいます。65点くらいでいいから継続していくことが肝心です。喧嘩しないことではなく、いかに修復して喧嘩から学び、それを人生の山と谷として経験してゆけるかが大切です。そうして喜怒哀楽のすべての感情や経験が人生体験として共に生きられることが子供にも大人にも重要なことなのだと思います。自分の感覚を信じて、試行錯誤してゆける開かれた心が可能であることをちょっとでも体験していただけたのではないかと思います。

 子供は抱っこされ、触れられ、見守られることを必要としています。でも大人である私たちにも、抱っこされたい、触れられたい、見守られたい部分があります。それは命と親しくつながっていることの実感です。子育てはそういう意味で本当の親しさを見つけ出すための大きなチャンスなのだと思います。

子育て支援サポートの講習会参加者の感想文
良かった点
迷いや悩みを話すことができたこと。そして、それに対する答えを自分で見つけられたこと。
呼吸を意識することを教えていただき、生きていることをあらためて実感しました。
子どもの気持ち(立場)になって、私を見れたこと。
子どもが優しい心やみんなと仲良くする楽しさなどを学ぶチャンスが、けんかなどをして相手を泣かせてしまった時で、その対処の仕方を教えていただいてとても良かったです。
まわりの目を気にせず、肩の力を抜いて、こだわらずに子供と生きて学び合って行けばよいのだと気づいて、気が楽になりました。
今までは、子供を、自分の機嫌が悪いとよく怒ったりすることも会ったりして、傷つけてしまったかなと気になっていましたが、まだ、傷は修復できると聞いて安心しました。また、何でもないことで怒ることが今まで多かったでしたが、何で自分がそう怒ってしまうのかを考え、自分を見つめることができました。最近は、イライラすることがあってもすぐ怒らず「大したことじゃないや」と思えるようになり、イライラがスーっと消えていくこともあります。無意識のうちに、「自分も子供も百点じゃないと」と思っていたんだなあと、つくづく思い、完璧じゃなくていいんだと思えたことで自分がとても楽になりました。
 
困った点
子供がいたずらした時や子供同士でけんかやおもちゃの取り合いをした時など、まだ「この場合はどう対処したらよいのだろうか?」と頭で考えてしまい、実践できない。経験を積むとスマートにできるようになるのだろうか。
頭でわかっていても、行動が伴わないことがある。
テキストというかプリントのようなものもあるとうれしいです。今回の内容も楽しかったですが、例えばはじめにもらったチラシに書いてある三回の内容もプリントにそって講義をしていただいて、その後、今回のようにそれぞれの悩んだことなどについて話したりするなど、毎回の題目に沿った講義も聞きたいと思いました。
 
ワークショップ概要
 
開 催 日
テ ー マ
第1回
10月9日(木)
名を呼ぶ、眼を見つめる
第2回
10月16日(木)
鏡になる、映しあう、見守る
第3回
10月30日(木)
傾聴しながら流れを感じる
講師:井上ウィマラ氏(仏教セラピスト)
 1959年増穂町(現富士川町)生まれ。京都大学文学部哲学科宗教哲学専攻中退。曹洞宗で出家して道元禅を学び、ビルマのテーラワーダ仏教にてヴィパッサナー瞑想とアビダルマ仏教心理学などを学ぶ。カナダ、イギリス、アメリカで瞑想指導と仏教の布教に携わり、バリー仏教研究所を経て還俗。マサチューセッツ大学医学部でストレスリダクションプログラムを研修し帰国する。伝統的な瞑想のエッセンスを子育てや教育、福祉、医療の現場に手渡す道を開いている。
 訳書:「呼吸による癒し」(春秋社)、「優しいヴィパッサナー瞑想入門」(春秋社)
 著書:「心を開く瞑想レッスン」(大法輪閣)
 共著:「おとなの自然塾」(岩波アクティブ新書)、「自分という自然に出会う」(講談社)
     「呼吸を感じるエクササイズ」(岩波アクティブ新書)